褪せない言葉の色彩を☆ファンタジー小説

作家・シナリオライター 秋田しげとがつむぎゆく小説

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地下の蜉蝣(十)☆歴史小説

※※※

 有綱は青く硬い柿の実のような身体を、女の愛情が具現化して内部から表面に出ようと生きづく翆子の身体にそっと寄せた。
 触れ合うと、翆子の乳房は少しの粘りをもってピタリと有綱の肌に密着する。
「翆子殿っ、目がクラクラして、正気を失いそう……ですっ」
「どうぞ。わたくしは有綱様の家なのですから、笑おうと、泣こうと、正気を失って淫靡にふけようと、自由になさいませ。二人の間にしきたりも作法もございませぬ」
 翠子の返答を聞くと有綱の眼差しは、少年のものから大人の獣じみた視線に変化する。
 その一瞬のために生まれ生きる生物が有綱の胸に宿り、それが全身の血を沸き立たせてゆく。
 そして有綱は自分から翆子に、口づけと呼ぶにはあまりにたどたどしい、口づけをした。しかしその不器用さに翠子は喜びを感じ、口を離そうとする有綱の顔を抑えて一層強く唇を押し当てる。
 海風が蚊帳を通り抜けると、木々の葉音と海の香りが寝床に運ばれ、まるで防風林に囲まれた海岸で二人愛し合っているかのようだ。
 にゅっ、と侵入してくる翠子の舌は有綱もまた同じようにせよと誘い、その舌先に招かれて有綱もまた翠子の口中で舌を絡め、深層の口づけを味わった。
「呼んでくださいませ。わたくしを……」
「翠子殿っ」
「殿は、いりませぬ」
「翠子……」
「もう一度、お願いいたします」
「翠子、翠子、翠子っっ!」
「ああぁぁぁ……うれしや。翠子も、われを失います。失いますよ?。身分や礼儀をおもんばかることなく……」
 
 翠子は長襦袢を脱ぎ捨てて、乳房を有綱の口へ持ってゆき、その中央のピンと硬い路傍の石塔を有綱に含ませる。有綱は本能的にそれを吸引してさも大事そうに両手で掴むと、その奇跡のような柔らかさに指を遊ばせた。
「あなたぁ、翠子はここち良うて、良すぎて……」
 翠子は上半身を下から上に、蛇がうねるように身もだえすると、はっしと有綱の頭をかき抱く。有綱の口には、乳房の塔だけではなく、それを取り囲む円形の褐色の庭も吸い込まれている。有綱はなおもわが物にしようと、周辺の柔らかく白い雪景色の丘にも唇を這わせ、強く吸引した。
 翠子は有綱の髪の間に指を入れ、離すまいと爪を立てる。しかし有綱の唇がもう一方の乳房に移ると、
「んあぁぁ……そちらは、弱いのぉぉぉ」
 と言って、つかんでいた手の力を抜き、そのまま仰向けにしなだれ、寝そべった。
 有綱の前には、女観音の如き愛憐の視線を薄くあけた瞼から向ける翠子が、その全てをさらけ出して横たわっている。
 膝を立てて翠子の全身を見下ろすように眺め、行灯のともしびに浮かび上がる、美しくもなまめかしい光景に有綱は視線を離すことができない。翠子の視線はというと、有綱の顔から首、胸、腹、そして下腹部へと向けられ、女観音のようなまなざしは不意に、遊女のそれに変化する。
「そのままでは……元服の準備をしてさしあげましょう」
 翠子は怪しい笑みを浮かべて身を起こし、膝を立てて中腰の有綱の下腹部に頬をあてた。
「翠子っ!?」
「愛しゅう、ございます」
 有綱の動揺をよそに、翠子は熱い血を全身にたぎらせた陰茎に幾度も頬ずりし、その刺激でビクンビクンと跳ねると嬉しそうに口づける。長い髪が有綱の屹立にかかるたび、翠子はそれを疎まし気に払った。
 成長途中で精いっぱい背伸びする怒張は、孵化して間もないカマキリの幼生が鎌を構えているようで、翠子になんの恐怖も与えず、愛しさが増すばかりである。
 その怒張した姿とうらはらに先端はまだ蕾で、肌色の花弁が周囲を覆っている。そこからは、粘り気のある透明な涙があふれ、翠子は思わずそれを舐めとった。
「あなた、このようにお堅くして……つらいのですね。もうしばらく翠子に御身をお預けになって」
 そう言って、舌先を蕾の先にチロと当てる。しかしすぐ離すと、確認するように言った。
「淫らと思いなさるな。こればかりは儀式なのですから……」
 そしてまた、舌を尖らせて先端をチロチロ刺激する。その舌を伝って翠子の唾液が屹立に到達すると、舌先は器用に有綱の蕾と花弁の間に割って入り、そのヌメリを蕾に分け与える。
 すると、花弁は舌先に遠慮して、屹立の先から次第に滑り落ちて行った。



                                                                                                つづく

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  1. 2016/6/13(月) 6:33:3|
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